小児歯科

乳歯だからといって虫歯になっても問題ないと考えるのは非常に危険です。乳歯には、丈夫な永久歯が生えるための準備や、永久歯を正しい位置に導く役割があります。また、あごの骨の成長や知能の発達、正常な咬み合わせにも大きな影響を与えます。

さらに、虫歯は感染症です。虫歯になった乳歯がある口の中に、抵抗力の弱い新しい永久歯が生えてくると、虫歯になるリスクが高まります。

生えたての歯は、乳歯と永久歯が混在するため歯並びがでこぼこしやすく、表面が粗いため汚れが付きやすくなっています。加えて、抵抗力が低い状態にあるため、虫歯になりやすいデリケートな時期です。この時期には、永久歯がなかなか生えてこなかったり、乳歯が抜けないなどのトラブルもよく見られます。

生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中は無菌状態で、虫歯菌もいないといわれています。では、なぜ虫歯ができるのでしょうか? 虫歯は感染症です。スキンシップなどを通じて周囲の大人からお子さんのお口に虫歯菌がうつり、それによって感染してしまうのです。

研究によると、虫歯菌への感染時期を遅らせることで、将来的に虫歯ができにくくなることが報告されています。つまり、今お子さんを虫歯から守ることは、将来の口腔健康を守ることにもつながるのです。

虫歯は親から子供へ感染しています。虫歯は、風邪やインフルエンザのように、人から人へと感染する「感染症」です。

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、虫歯の原因となる菌は存在しません。赤ちゃんが生後1歳7ヵ月から2歳7ヵ月の間に、大人とスキンシップをすることで、虫歯菌が移るとされています。

虫歯菌に感染する時期を遅らせることで、将来、成長した時の虫歯の本数を減らすことができると言われています。また、24歳前後になると、新しくできる虫歯の本数はほぼゼロに近づくとも言われています。したがって、虫歯菌の感染を防ぐ対策を子供に対して行うことは、その後の口の健康を考える上で非常に重要です。

感染症である虫歯に対しては、事前に対策を行うことが可能です。正しい知識と方法によって子供を虫歯から守ることが、お子様の口の将来を考える上で非常に重要です。

虫歯から守る方法

1 歯磨き指導 お子さまが歯磨きを好きになるよう、丁寧に指導いたします。 歯磨きやブラッシング指導では、虫歯予防に効果的なブラッシング方法を楽しく学べるよう、丁寧に教えていきます。
2 フッ素塗布 萌出したばかりの乳歯は歯質がまだ脆弱です。そのため、歯の表面にフッ素を塗布することで、唾液中のミネラルを取り込みやすくし、再石灰化を促進します。
3 シーラント 虫歯になりやすい奥歯の溝にプラスチックを流し込んで虫歯を予防する処置です。歯を削らずに行えるため、痛みを伴わずに治療できるのが特徴です。